平成男子

文系学部新卒SIerです。

Ursula K. Le Guin - CATWINGS RETURNを読んで

二月なのに、こんなに暖かくなるなんて思わなかった。

梅の花は同じ場所でも木によって咲く時期が違うけど、

今週のうちに関東の梅は全部咲いてしまうんではないだろうか。

朝からくしゃみが止まらないし、砂埃で目が痛くても、

思わず出掛けたくなる陽気な風で気分が明るい。

 

久しぶりに汗ばんだシャツを着て、

少し気持ち悪いなとも思ったけどすぐに慣れた。

来週から沖縄に行く。

向こうはもっと暑いだろ。

だから薄手の長袖を数枚を持っていけば十分かな。

 

なんて考えながら今日は図書館に足を運んだ。

僕の中で少子高齢化が進んだと思う場所ランキング一位に輝く図書館。

いつも知らないおじいちゃん達を見て、少し悲しくなるよ。

そんないつもの平日の昼間の顔ぶれに並んで、僕も新聞を適当に読む。

 

一通り新聞に目を通してから、小説のコーナーへ向かう。

地元の高校生のオススメコーナーなんてのがあって、

母校の生徒が読書感想文やら、綺麗なPOPが目にとまった。

 

んで、『ゲド戦記』で名前を知っていたアーシュラ・K・ル=グウィンの絵本作品があったので手に取ってみた。面白そうだったので英語の勉強も兼ねて読んだ。

物語は比較的簡単な英語で描かれていて、分かりやすい。

だからと言って単調な訳ではなく、行動や言葉の一つひとつが僕には響いた。

 

以下あらすじ。

仲良しの4匹猫の兄弟は平和な森で活きいきと暮らしていた。ある日、猫達は人間の住む街に残った母はどうしているだろうか、と気になって探しに行く。そこで見たものは壊されたビルの廃墟や瓦礫、そして小さな黒い猫だったー

 

という感じなんだけど。

この話に出てくる猫はお母さん以外はみんな背中から翼が生えていて、空を飛べる。もし人間に見つかってしまうと、サーカスで利用されたり、科学のために実験に使われたり、人間の欲望のために苦しむことになる。そのために母親は自分を街に置いて、子供達を逃させた。

 

翼を持つ者と持たざる者の存在。

その二つは時に同じ世界で生きていくことはできない。

古代から続いた身分制社会的な部分を感じた。

それでも持たざる者が幸せではないかというと、そうでもない。

御飯をくれて、膝の上で抱いてくれる優しいおばあさんに母猫は出会うことができた。幸せの形はそれぞれである。

 

 

 

そしてもう一つ。

小さな黒い猫は、他の空飛ぶ猫と比べて対照的に描かれている。

シナモン色の鼻を持ち、白い前足に、縞模様の羽をつけた綺麗な猫に対して、

黒い猫はボサボサで鼻先からしっぽまで真っ黒としか表現されていない。

そして黒猫の発する言葉と言えば

「ME! ME! MEEEE」という鳴き声と「HATE! HATE! HATE!」という叫び声だけ。

ミャーという鳴き声は、私を見て!私はここにいる!という助けを求める声、嫌いだ!という憎しみの声、人種差別問題のメッセージ。

 

そんな猫達の歩み寄っていく姿に、人間らしい部分を感じてしまう。

改めてファンタジーは面白いな、と感じる一冊。

 

短いのですぐに読み終わりますが、オススメです!

 

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